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新英語教育研究会神奈川支部HP

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2005.12 会報29:単語書き書きくん!

2005年12月例会(会報129)
●ミニレポート(高校):「授業で繰り返し単語を練習するには」
萩原 一郎さん(県立白山高校) 
 例会参加者一人ひとりが普段の語彙指導の方法を交流したり、ワークショップ形式で単語の学習法を提案してくださいました。

(1)英単語ミニ知識
・ 読みながらある単語に6回以上出会うと、学習できる可能性が高い。
・ 語彙知識が少ない学習者ほど、出会う回数が少ないとその語を習得できない。

(2)ワークショップ
1)単語シートを使って
・ 1時間目:1枚に30~45語程度の教科書にある単語が載っている単語シートを配布する。音読練習をする。自分が知っている語について、一番右の□にνを入れる。
・ 2時間目:用紙を真ん中の点線で折り、ペアで日本語を英語に直しながら言っていく。 言えない単語は「パス」。相手は一番左の□にνを入れる。
・ 3時間目:用紙を真ん中の点線で折り、ペアで日本語を英語に直しながら言っていく。 言えない単語は「パス」。相手は一番左の□にνを入れる。
Lesson 3 Saving Native Tongues (2) 【動詞編】
1. □□□ learn 1. □ 覚える、学ぶ
2. □□□ set aside... 2. □ ~をとっておく
3. □□□ punish 3. □ 罰する
4. □□□ speak 4. □ 話す
5. □□□ spoke 5. □ 話した
6. □□□ begin to... 6. □ ~しはじめる
7. □□□ began to.... 7. □ ~しはじめた
8. □□□ worry 8. □ 心配する
9. □□□ can 9. □ ~できる

2)「英単語書き書きくん」を使って
・ 教科書の単語の中から書けるようにしたい語を16~20語を選び、下のようなプリントを作る。生徒は英語の部分を隠し、日本語を見ながら下の空欄に単語を書いていくプリント。1枚のプリントで3回(3時間分)練習できるように作ってある。[以下は8語に省略している]
Lesson 1(3) 英単語書き書きくん
日本人 名前 写真 宇宙
送った 多くの 国 メッセージ

Japanese name picture space
sent many country message
【1回目】 /20



3)単語カードを使って
表に日本語、裏に英語を書いた単語プリント。日本語を見せて生徒に英語で言わせる。下を向きがちな生徒の視線が上がる、普段やらない生徒も個人指名で参加させることができる。
・ 単語一語ばかりでなく、in water, on land(前置詞の違い) all over the world(成句), pollute water(動詞と名詞の結びつき)などフレーズ単位で練習できるものが効果的。

(3)まとめ
・  このような3つの方法を使い、教科書の単語については授業の中で、原則として6回以上練習できるように配慮している。その際、
英語→日本語 日本語で意味が言える
日本語→英語 英語で言える
日本語→英語 英語を書ける
・   という3段階を意識し、どの単語が書ける段階まで要求するか、日本語で意味が言えるだけでよいかなど教師が判断し、生徒に明示することが重要。
・ 現在、授業の3分の1が語彙練習に費やされ、定期試験もそれに連動し、3分の1が語彙に関するものにしている。3つのパターンのワークショップをやっていただいたが、繰り返していると教師も生徒も飽き気味になってきている。遊び的な活動を取り入れるなど新たな活動を盛り込む必要性に迫られている。
・ なお、当日のワークショップは英語では易しすぎるので、ドイツ語で行い生徒の気持ちを体験していただいた。

■参加者の感想
? カード・プリントの工夫で語彙をつける。1日に6回書く、見る、読むといった出会いをもたせると記憶に残る!!
? 単語をどう徹底させるかということ、生徒にどう動機づけをさせるかが課題だと思う。
? 単語の指導法は是非学ばせていただき、使ってみたいと思いました。
? 授業の中で単語を書かせる時間を設けることの効用を知った。まず語学の土台に単語があるという萩原さんの信念が感じられました。定期試験の1/3が語彙という、思いきった切り取り方も潔いと思います。
? 単語について、手を替え品を替え、生徒に合わせる工夫・努力が分かりました。
? 単語の覚え方のひと工夫(アイデア)…ぼくには新鮮でした。いつも感じることですが、先生のレポートをきくたびに、先生の英語に対する‘情熱’というか‘熱い’ものを感じます。人間を感じます。来学期、ちょっとコピーしようと思います。ありがとうございました。
? 萩原先生の「書き書きくん」が良かった。ちょっと工夫を加えて使ってみたいと思います。


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